■現代病の"救世主"田七 （別名 三七）

健康は人生の宝。いくらお金や財産が豊富にあっても、
いつも体が弱く病気をしていては何にもなりません。
健康はお金で買うことはできません。
中国に昔から伝わる養生訓に"医食同源"という言葉があ
ります。 健康は毎日の食生活から生まれてくるという意味
です。 ですから、中国の人々は食べ物を実に大切にし、か
つ自然 を上手に利用します。
中国四千年の経験と実績によって確立された東洋医学や
漢方薬も、こうした自然を重視するという中国人特有の健康哲学から生まれたものと考えられています。

今、最も注目を集めている生薬に、中国・雲南省特産の「田七」という生薬があります。
田七は消化器系ガンをはじめ、心臓病、高血圧、肝炎など、現代の難病といわれている諸病を改善する働きがあるということで、WHOをはじめ世界中の医学者らの手によって、その高い治療的効果について研究され、注目されています。

■田七とは？（別名 三七）

田七は別名「三七」とも言われております。三七の由来は、根が育つのに三年から七年もかかるということから、 三七という呼び名が付いたといわれていますが、一般的には「田七」とか、三七ができている産地名を入
れて「雲南田七」、あるいは、止血効果が非常に高いところから"漆のように傷口を癒合する"つまり「山漆」とも
言われています。
漢方薬の古典の一つ『本草網目』には、山漆と記されています。また、中国の人びとはこの三七のことを、金に換えられ ない 貴重な秘薬として、別名「金不換」の名で貴重品扱いしているところもあります。が、しかしここでは「田七」という名称をもって、その秘められた効能効果を探っていきたいと思います。

まず、田七の特徴をみてみますと、田七はウコギ科の人参科に属する多年生草木で、人参の葉とよく似ているところから、"参三七"と呼ばれることもあります。

主産地は雲南省東南部の文山県および西疇で、その他に広西壮族自治区の靖西、四川省、チベットの一部でも栽培されていますが、四川省や湖北省、湖西省などでは、野生の田七を産出しているところもあります。
しかし、田七の約85%は年間降雨量の多い文山県で算出され、この地が田七を栽培するのに最も気候や土懐が適しているからだといわれています。
文山県での栽培は、すでに三百余年の歴史をもっていますが、最近の漢方ブームの影響で、田七の栽培が盛んになっているということです。ところが、やっかいなことに、田七を植えて七年後に収穫したあとの土地は、その後十年間は休耕しなければならないほどのやせ方であるといわれ、田七がいかにまわりの土壌の養分を吸い上げてしまうかがお分かりになると思います。
これは、私たちにも馴染みが深い朝鮮人参の場合とよく似たところがありますが、田七の場合は人参と酷似しているのは葉だけであり、ほかは葉の肉も厚く、支岐は細くて茎は赤りょう色、夏と秋に黄色い花をつけます。
花は香りがなく、花びらを落としたあとに曲がったかわいいつぼみ状の種をつけ、いかにもかれんな野菊といった風情をただよわせます。
しかし、根をみますと、可憐な花とは対照的に、ゴツゴツとした形をし、その味は甘くて渋味をもっています。

■滋養・強壮、虚弱体質の改善に　〜妊婦・スポーツ選手に幅広い用途〜

田七が、滋養・強壮に非常に効果がある事が古くから知られています。

昔、北京に近いある寒村に、非常に体の弱い子供がいました。
その子は同じ位の年頃の子供とは遊べず、いつも家の中でじっとしている子供でした。
心配した父親は、「どうにかならぬものか」とそれはそれは心配していたそうです。
そんなある日、南から来たという旅の僧に一夜のもてなしをしたのです。
翌朝、その僧は礼を言いながら「あんたは子供を大変心配しているようじゃが、これを煮込みの中に入れて食べさせてやるとよい」といって、ゴボウを輪切りにしたような植物を渡したのです。
旅の僧が帰って、さっそくそれを煮込みの中に入れて子供に食べさせました。
すると子供の顔色はみるみるうちに紅をさし、それいらい普通の子供に負けない元気な子供になったということです。

まさに父親が渡された"ゴボウ"こそ、田七だったのです。

このように田七には虚弱体質の人間には非常に高価のあるもので、とくに成長期の子供に対しては発育の促進を行うということです。
これは、田七は鉄分の含有量が多い為、虚弱体質の人の鉄分代謝を高めて血液の量を増やすとともに、強壮、強心作用が期待できるからなのです。
このため、虚弱体質の人をはじめ、産前、産後の増血にも効果があり、また中国では重量あげや長・中距離ランナー、水泳、バレーボールなど、持久力を必要とする運動選手に対して、この田七の投与を試みているといわれていますが、中国選手の活躍ぶるをみてもよく分かります。